青色申告のメリット
大きく分けて、
節税(青色で申告すること自体の効果)と業績の把握と来期の指針(申告書を作成することで分かること)の2つに分けられます。
節税
(青色申告には、白色申告と比べて有利な取扱いが認められています。青色で申告をすることが節税への一番の近道です。)
(1) 青色申告特別控除
所得から青色申告特別控除として最高65万円引くことができる。これは、実際に支出をしたわけではないのに、経費(青色申告特別控除)として最大65万円控除できるというところが節税上大きな意味を持っています。
通常、経費は実際に支出しなければ収入から控除できません。減価償却だって最初に支出した額を、そこから耐用年数期間に渡って経費にしていくわけですし、引当金にしても、繰入・戻入があるので通算すればプラスマイナス0となります。(もちろん、減価償却も引当金も、それはそれで意味のあることです。)
ですが、青色申告控除は違います。現金で支払っていないのに65万円控除できる。いい方を変えれば、65万円は事業主様が自由に使えるお金として確保してあげましょうということなのです。(ただし、事業税の計算上は認められない)
それでは、具体的に、青色申告特別控除65万でどれだけ節税できるのか説明します。まずは、所得に応じて払われる税金等の税率の合計を確認します。
所得 | 国税 | 地方税 | 国民健康保険料所得割 | 税率等合計 |
---|---|---|---|---|
1,950,000 | 5% | 10% | 10.5 (注:市によって異なります。ここでは大阪市の税率を採用します。)*最大59万円 |
25.5 |
3,300,000 | 10% | 30.5 | ||
6,950,000 | 20% | 40.5 | ||
9,000,000 | 23% | 33+最大59万円 | ||
18,000,000 | 33% | 43+最大59万円 | ||
それ以上 | 40% | 50+最大59万円 | ||
この所得帯の人は、健康保険料が最大になっているため、+59万円としている。
したがって、最低でも65万円×25.5%=165,750
所得の多い方は、最高で 65万円×50%=325,000の節税になります。
実際に、私共税理士に確定申告をご依頼いただいている場合は、税理士報酬を計算に加えなくてはいけませんので、節税額は、【(65万円+税理士報酬)×(25.5~50%)-税理士報酬】となります。
仮に税理士報酬を31万5千円支払われている場合ですと、その支払いに対して、おおよそ246,075~482,500円の減税効果が生じますので、税理士報酬の大部分を節税によって補えるどころか、報酬以上の得になることだって十分にありえます。
しかも、青色申告の節税効果はこの65万円だけではありません。青色事業専従者給与による一石三鳥の節税効果もあります。実際にそれらを計算すると、TOPページのように、税理士報酬を払ってもなお50万円以上も得をするという無視できない節税額になることがあります。
(2) 青色事業専従者給与
生計を一にしている配偶者その他の親族が納税者の経営する事業に従事している場合、これらの人に対する給与は、実は原則必要経費になりません。
ところが、青色申告の場合、一定の要件を満たすと、青色事業専従者給与として経費に認められます。この最大のメリットは、所得の分散が可能になるというところにあります。
すなわち、家計全体の所得の適用税率を抑えることが出来ます。従って、給料の額はやみくもに決めるのではなく、どのように所得を分散するかを計算することが、節税効果を最大化することに繋がります。それは、所得税の税率や計算方法に精通していなければ難しいことです。当税理士事務所ならば、節税効果が最大になるような提案をすることができます。
しかも、所得の計算上経費となるのは、白色事業専従者給与は、配偶者の場合は86万円その他の場合は1人50万円が限度となりますが、青色事業専従者給給与はその支払額の全てが認められます。
さらに、給与については、支出の伴わない給与所得控除(もちろん、+基礎控除)があります。
このように、一石三鳥ともいえる青色事業専従者給与が青色申告なら認められるのです。有効に使いましょう。
(3) 純損失の繰越しと繰戻し
赤字を3年間繰り越せます。黒字・赤字は、どんなに経営計画をしっかりたてていても完全にコントロールできるものではありません。
予測のできない事態は起こるものです。そんな時、赤字を3年間繰り越せます。そうすることで、黒字の時に、過去の赤字分と相殺でき、結果的に節税になります。もし、相殺できなかったら、黒字額をそのまま申告しなければならなくなるからです。
【以下の表は早急にできないと思うので後回しにしてください】 http://www.ksbd.net/2008/10/post-152.html
具体例として、このHPのように説明したいと思います。 このHPでは法人ですが、個人も原理は同じですので。
(4) その他、さまざまな優遇税制の適用がある。
たとえば、貸倒引当金などが使えます。来期の貸倒損失のリスクを考慮して、一定の額を今期の経費に参入してしまうわけです。今期・翌期の所得の平準化という意味では節税効果はあります。
(5) 税務調査時、推計課税がされない。
青色申告者は帳簿調査に基づかない推計課税はされないが、白色申告者は、所得の根拠となる帳簿が存在しない場合、財産の増減や、生活状況などから推測で課税される恐れがあります。
調査を知らない方は、ピンとこないかもしれませんが、「貴方はこれだけの買い物をしていて、これだけの生活をしているわけですから、これぐらいは所得がないとおかしいですよね?」という具合に推測して課税されてしまうのです。なんか嫌じゃないですか?もし私がされたら、「勝手に決め付けんなよ!」って思って嫌になります。
顧問契約を結ぶことにより効果はさらにUP
ところで、年明け確定申告前に私達税理士に青色申告を依頼するお客様と、通常の顧問契約を結び普段より関与させていただいているお客様とでは、実は節税の効果が大きく違ってくることをご存知ですか?
青色事業専従者給与のメリットが、適用税率を抑えることにあると説明しましたが、どういうことか説明します。
青色事業専従者給与を上げれば、事業所得は下がる。青色事業専従者給与を下げれば、事業所得は上がる。その両者の税率が同じぐらい低くなるように、青色事業専従者給与を設定することで、家計全体の適用税率が最小化されるのです。そこが、最も節税効果が上がるところになります。
年初に想定したとおりの利益であれば、想定利益に対する節税効果が最大になる金額であらかじめ青色事業専従者給与を決めれば良いですが、日々変わりゆく経済状況の中で、事前に想定したとおりの利益になることはありえません。
では、どうすれば良いか?
毎月利益を算出し、できる限り正確にその都度最終利益を予測することが必要になるわけです。そして、その予測に基づいて、青色事業専従者給与を賞与等の額などで調整するわけです。事業年度が終わって確定申告の時期になってから、遡って給料を訂正することはできません。
正確に予測するためには、日々正しく記帳処理しなくてはいけません。それには、ある程度の専門的知識が必要です。
そこで、西原税理士事務所と顧問契約を結んで頂くことで、定期的に記帳処理&記帳指導させて頂きます。そうすることで、できる限り正確に最終利益を予測することが可能になり、ひいては、節税効果を高めることにもなるのです。
コスト面から考えましても、そのために新たに有能な経理社員を雇うことを考えたら、私共と顧問契約を結んで頂く方が、コストも遥かに安く、満足度も高く感じていただけることだと思います。
場合によっては、記帳業務を私共が行うことで、人件費の見直しが可能になることもあります。
税務顧問契約によるメリットは、これだけではありません。 これ以外にも顧問契約を結んでいただくメリットはあります。 詳しくは「③税務顧問」をご覧ください。
会社の業績が明らかになり、来期の指針を考えるうえで大いに参考になります。
複式簿記による記帳をすることで、事業の全てが、数字として把握できるようになり、事業の分析、経営計画に役立てることができる。
たとえば、あなたの事業の全てが記載された複式簿記による帳簿で、一体どれほどのことが分かるのか?
あなたは、こんなことで悩んでいませんか?
売上は上がっている&利益は出ているのに、一向に儲かっている気がしない。どこにお金が消えているか分からない。
⇒一番モチベーションが下がるパターンではないでしょうか?頑張っているのに、その成果が実感できない。気持ちが磨り減っていってませんか?
仕事をするうえでモチベーションを維持することはとても大切なことです。
モチベーションを下げないためにも、お金がどこに消えているのかを特定しましょう。
保険をかけすぎて、一体適正な保険金額がいくらなのか分からない。かといって、万が一を考えると保険を解約するのも不安だ。本当に必要な保険はいくらぐらいなのか知りたい。
⇒保険を見直すことで、保険料の支払いが安くできるかもしれません。知らないうちに、無駄なお金を出費していませんか?
事業拡大のため&その他の理由で、借入をしようかと考えているのだが、いくらぐらいまでなら支障がないのかを知りたい。
⇒無理なく返済できる範囲以上の借入をおこしてしまうと、本業の収益を必要以上に食い潰して、事業の破綻に繋がることもあります。一度借りたものは取り消せません。帳簿を作成して検討してみませんか?
なんとか事業は続けれているのだが、苦しい。どこで余分な経費がかかっているのか?どこの経費を見直せばよいのか知りたい。
⇒やみくもに経費を削減するだけでは、必要な経費までも削ってしまう恐れがでてきます。
一度じっくりきっちりとした数字で、一年間の経費を見直してみることも必要ではありませんか?
このようなほおっておくと大変なことにもなりかねないざまざまな悩みや疑問が、複式簿記による帳簿によって解決します。帳簿とは、実際に事業をしていなくても、その事業の流れやさまざまなことが分かるようになっているものです。
少なくとも私はそう意識して帳簿を見て考え分析しています。従って、経営に関するほとんどの悩みのヒントは、帳簿の中にあるといっても過言ではないと思っています。一緒に考えましょう。我々数字のプロに任せてください。
以上のように、青色申告のメリットは非常に大きいものです。
税理士報酬分を考慮に入れても、それ以上の節税効果が期待でき、しかもお客様の手間が省けるうえ、なにより、専門家による丁寧な帳簿作成とそれを用いた分かりやすい経営状態の説明が受けられます。複式簿記により作成された信頼のおける財務諸表は、事業のことを把握する上でかけがえのないものです。地図やNAVIもつけずに車で目的地を目指すようなものです。
それで、果たして目的地にたどり着くことができるでしょうか?
ここに記載したことが全てではありません。HPではお伝えできないこともたくさんあります。専門家による確かな節税とサービスを受けてみませんか
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いざ、問い合わせしようとしても「何を話してよいか分からない!」ということがあるのではないでしょうか?
そこで、お客様より過去に頂いたお問い合わせ・ご質問内容をご紹介致します。お問い合わせ・ご質問されるお客様の背景によって、返答内容は変わります。下記にございます「お問い合わせ・ご質問一覧」と同じ内容でも、その他でも誠実を心がけて対応させていただきますので、お気軽にご連絡下さい。
よく頂くお問い合わせ・ご質問
- 商売をはじめた(開業した)ので、青色申告をしたいのですがどうすれば良いですか?
- 青色申告の記帳って難しいですか?
- 青色申告で節税ができるって本当ですか?
- 青色申告を依頼したいのですが、資料が不足していたり、失った領収書等もあります。引き受けていただけるでしょうか?
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